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Materials

当工房が扱う革について

当工房が使用している革は革本来の自然な風合いが残っているタンニン鞣しの革が殆どです。なるべく自分の目で見て、触れて、いいと思った物を仕入れて使用しています。タンニン鞣しの革は薄化粧で、表面を強く加工していないため、傷やトラと呼ばれるシワが残っている物が多いですが、傷やトラもひどくない限りは良さや味だと思ってそのまま使用しています。(詳しくはこちら)

タンニン鞣しの革は、使い込むにつれ馴染み、色艶が増し、味わい深くなっていき、存在感がどんどん増していく革です。
使い始めの頃は傷や汚れが目立ち易い傾向にありますが、使い込むにうちに革の持つ油分が表面に出てきて皮膜ができ、ツヤや深みが増し、傷や汚れも目立たず付きにくくなっていきます。元々丈夫で長持ちする革という素材だからこそ、長く使用することで風合いや色合いの変化を大きく楽しめるタンニン鞣しの革を好んで使用しています。(詳しくはこちら)

手縫いについて

日々、手縫いをしながら手縫いの良さを考えていると、色々な良さを感じます。

一つは丈夫で美しいということ。熟練した職人の手縫いのステッチは、一定でブレが無く、規則正しく、美しく並び、そこには職人仕事の美が感じられます。また、8の字に糸をかけて縫われるステッチは、切れてもほつれ難いという特徴が有ります。作る物の細部まで目を届かせながら、一針一針丁寧に縫っていく手縫いは、美しく丈夫な品を作ることが出来るという良さを感じます。

もう1つの良さは、縫った人ならではの何かが宿るとでもいいましょうか、同じ道具、同じ糸、同じ方法で縫ったとしても、そこにはその人でしか出来ない何かが表れるような気がしてなりません。一定のクオリティの物をブレなく作る職人仕事からすると、個性が出てしまっては失格かもしれませんが、美しく規則正しく並んでいながら、無機質な均一さとは違う何かであったり、たとえガタガタで揃ってなくとも、上手い下手とは違う何か良さであったり、人の手が作る物には何か only one made な物が感じられます。

私のような個人工房が作る物はそんな品でも良いと思っていますし、そうあるべきだとも思っています。一枚一枚の革に表情があるように、作り手一人一人に個性があるように、出来上がった品にもその人ならではの何かが表れたらいいなと思っています。

1つは職人仕事の美しい品。もう一つは個人が作るoniy one。その両方を追って行きたいなどと贅沢な事を考えながら(二兎を追うものはなんたら、、なんて言葉もありますが、、) 日々一針一針縫っています。